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胎盤(プラセンタ)療法についての詳しい説明

2014年11月の日本胎盤臨床医学会の名古屋大会で、私が発表したプレゼンの抜粋です。

演題

 

生物製剤1

生物製剤2

胎盤療法の起源について

世界最古の医学文書といわれる古代エジプト時代のエーベル・パピルスに古代エジプトで行われていた組織療法が記録されている。1872年にドイツのエジプト学者で小説家のゲオルグ・エーベルスが購入し、エーベル・パピルスと名づけられた。
現在はドイツのライプツィヒ大学図書館に収蔵されている。エーベルス・パピルスの英語訳は医師でもあり学者でもあったエジプト人のポール・ガリウンギが公開した。それによると古代エジプト時代に起源のある療法は数多くあり、組織移植療法、エネルギー療法(光線治療、電気療法 磁気療法、手当て療法、鍼治療、気功)アロマテラピー、カイロプラクティック、外科的治療、薬草療法など記載されている。

抗加齢療法の始まり

1889年フランスの生理学者ブラウン・セカールが、イヌの睾丸のグリセリンエキスを自分に注射し、当時72歳であった彼が心身ともに活力を回復したと発表した。
ブラウン・セカールは、「生殖腺の衰退が老化の原因である」と断定。そして犬の睾丸をすり潰したものを自分に注射したところ、気力、体力、精力が増強したと報告した。彼は男性には睾丸エキス、女性の更年期症状には卵巣エキスが同様に効果あるとの仮説を発表。のちのテストステロンの発見やエストロゲンの発見につながった。

ポール・ニーハンスというスイスの医師は副甲状腺を誤って切除されて激しい痙攣をおこしている患者に、子牛の副甲状腺を細かく刻んで生理食塩水に溶かしたものを皮下に注射すると、患者は一命をとりとめただけでなく、90歳近くまで元気に生きたという。この発見から、ニーハンス博士は、老化した細胞は若い細胞の刺激によって活性化されるという仮説「細胞療法」を1931年に提唱し、ローマ法皇、政治家、俳優、などセレブ達に細胞再生注射を行っていたという。
1955年、瀕死の床に横たわるローマ法王ピオス12世を蘇らせ、それによってニーハンス博士の名はヨーロッパじゅうに知れ渡ることになったという。

ポール・ニーハンス博士の細胞療法の原理である組織特異性の仮説をもとにフランスの企業が臨床試験を行い、EUの品質管理認証を取得した細胞再生注射を商品化している。羊の胎児細胞から特定の臓器を凍結粉砕し抽出し、これらを濾過し殺菌したエキスを筋注する療法をおこなっている。日本でもフィロルガ社の製品を個人輸入して使用しているクリニックは散見する。

  

スイスとアメリカの企業の共同開発製品、商品名、エコ・ウルトラ濾過液(超低分子ウサギ胎児組織または胎児器官から抽出した細胞エキス)を重度熱傷患者治療で外用して治癒効果が確認されたという。

経皮的に肌がエコ・ウルトラ濾過液を吸収できさらに経口投与で小腸の粘膜を通して超低分子なウサギ胎児組織または胎児器官から抽出した低分子細胞エキスが体内に吸収され、皮膚の再生、修復が行なわれるという。低分子FGFが作用していると考える。

経口的にアミノ酸を摂取して老化を予防する事も行われている。ある種のアミノ酸の組み合わせを空腹時就眠前に内服する事で自身のHGH分泌が増加するという。
ソビエト・サイエンスアカデミーのウラジミール・ディルマン博士はエストロゲン・HGH・甲状腺ホルモンなどを使用した複合ホルモン補充療法によって老化をコントロールする研究を発表した。アメリカ抗老化医学学会会長のロナルド・クラッツ博士はHGH(ヒト成長ホルモン)やその前駆物質と共に抗酸化剤・運動・食事療法を組み合わせた総合的な抗老化プログラムを発表した。

組織療法から胎盤療法へ

1930年代 旧ソ連の眼科医でオデッサ医科大学教授のフィラートフ博士が角膜移植手術に際し数日移植予定の角膜を冷蔵保存後移植すると白濁が抑制されたという研究結果から、スプランスキーという病理学者が冷蔵したプラセンタを埋没すると切開手術後の瘢痕が縮小した事を発表した。

その後、旧ソ連ではフィラートフ記念オデッサ眼病・組織療法研究所のロガイ教授に引き継がれ、政府の指導下に企業体を設立した。1986年ソ連時代チェルノブイリ原子力発電所事故で270万人が慢性被ばくの影響を受けた。放射線障害の治療や宇宙飛行士の健康、家畜の成長促進に注射液が開発、生産され、プラセンタ原液は化粧品としてフランスなどに輸出された。
ロシアとなった後ではロシア連邦科学技術アカデミー免疫科学センターのルビーモフ博士へと胎盤研究は引き継がれ開発が継続された。

一昨年、私と長瀬理事長はロシアに行きロシアで認可を取得したメルスモン注射は日本ではどのように使用しているかをロシアの医師たちに講演した。その時、旧ソ連時代から行われてきたプラセンタ療法は意外に医師たちに偏見なく認知が広がっていると感じた。モスクワの公園にはフィラートフ教授の銅像があった。キューバで製造されている人胎盤エキス外用液が皮膚疾患(尋常性白斑、熱傷)や美肌に用いられている事はロシアの医師は知っておりソ連時代の流れであると言っていた。
日本では、フィラートフ博士の論文を見て組織療法を知った満州医科大教授 稗田博士、帰国後、久留米大学教授によって研究が進められ、組織療法を研究する組織療法研究所(フィラートフ会)が1950年に設立され、ラエンネックやメルスモンの開発につながった。※(メルスモンが先に開発されている。稗田博士もこのフィラートフ会に入会していた。)
日本の胎盤抽出物注射製剤は原材料である胎盤、製造プロセスなど国により厳重に品質管理認証されており、高度な抽出技術により生物学的に高い活性度を持ち、品質の確かさゆえにロシア、韓国、中国で使われている。

講演中

記念写真

胎盤抽出物注射製剤(メルスモン・ラエンネック)はどのように生物活性効果を発現するか。

胎盤エキスのアミノ酸群やサイトカインである低分子FGF(繊維芽細胞成長因子)は外胚葉(皮膚、神経系)の不調に作用すると考える。外胚葉は皮膚の表皮や毛髪・爪・汗腺、感覚器(口腔・咽頭・鼻・直腸の末端部の上皮を含む)などを形成し、外胚葉の一部は発生過程で陥入して脳や脊髄などの中枢神経系のニューロンやメラノサイトなどの元にもなり末梢神経系も形成する。
発生学的には皮膚と脳は兄弟関係であり人間の脳は頭の内側に入り込んだ皮膚と考えられる。シミの原因となるメラノサイトにも働きかけ異常な色素沈着を改善し、皮膚のかゆみを抑えたり、中枢神経に作用し不眠や鬱を改善すると考える。

図1

胎盤エキスのアミノ酸グループや、サイトカインである低分子FGF(繊維芽細胞成長因子)は外胚葉(皮膚、神経系)の不調に作用すると考える。外胚葉は皮膚の表皮や毛髪・爪・汗腺、感覚器(口腔・咽頭・鼻・直腸の末端部の上皮を含む)などを形成し、外胚葉の一部は発生過程で陥入して脳や脊髄などの中枢神経系のニューロンやメラノサイトなどの元にもなり末梢神経系も形成する。 発生学的には皮膚と脳は兄弟関係であり人間の脳は頭の内側に入り込んだ皮膚と考えられる。シミの原因となるメラノサイトにも働きかけ異常な色素沈着を改善し、皮膚のかゆみを抑えたり、中枢神経に作用し不眠や鬱を改善すると考える。
しかし、個々の細胞ごとに転写因子が異なり、遺伝子修復過程が異なるため、すべての不調の改善に働くとは断定できない。

胚体外組織は遺伝子の発現の仕方が異なる

胚体外組織とは、へその緒や胎盤など、胎児と同じ受精卵からできる胎児にならない組織のことで胎盤組織と他の胎児期の体細胞組織での大きな差異は転写因子の発現がことなることで、Oct-3/4転写因子は内細胞塊(胎児などの胚体組織)により制御され、Cdx2は胚体外組織(胎盤)により制御される。

図2

図3

盤抽胎出物製剤の動物種差について

受精卵からふえていった体細胞はすべて同じ塩基配列(コード:遺伝暗号)を持っている。その塩基配列情報は30億。どの細胞にも同じ情報がくみこまれている。

ヒトの遺伝子は約25000種類あり、転写のつなぎ合わせを変えることで10万種類以上のたんぱく質を作ることができる。受精卵が何百種の細胞群に分化していく仕組みはエピジェネティクスと呼ばれ未知の部分が多い。

遺伝子発現により動物種差が発現する。生物の遺伝子は個体ごとに細胞ごとに異なる。アミノ酸の配合割合、配合の組み合わせによって細胞に働きかけ、活性化が変化する。ただし同じアミノ酸配列をもっていても糖鎖構造(レセプター)の組成によって組織や細胞への作用が異なるので複雑になる。

胎盤抽出物製剤の投与法の差について

本草綱目には、紫河車は健康な産婦の胎児胎盤を乾燥したものであり、「腎虚」で精力の衰えた人などに用いる滋養・強壮薬で、長期間服用すると効果あると記載されている。

8世紀に陳臓器という中国の医師が、胎盤とか血液、人肉とも書いてあるが、人間の胆嚢など動物性のものを体力回復剤として用いたことが記載されている。16世紀に明の時代に非龍延賢という人物が補天大造丸と言って、 人間の胎盤に様々な薬を混ぜて、 それを丸薬にしたものをつくり、それを飲むと非常に精力がつくという記録がある。

  

経口投与は長期間内服で滋養効果が期待でき、動物種差は少ないと考える。
外用は皮膚疾患や美肌に効果的で、動物種差は少ないと考える。
注射は中枢神経系の意識の部分に強く作用するので動物種差はあると考える。恐れ、不安、怒り、悲しみ等の感情や睡眠欲、食欲などの本能的な心は哺乳動物共通であるが、ヒト胎盤エキスはヒト特有の精神に働きかけ、ヒトの意識レベルでの抗不安作用(まだ起こっていない将来や未来を心配するような取り越し苦労が軽減し、前向きな、いわゆるポジテイブな性格になる)があると考える。

  

· 受精卵を個体に育てたあと消えていく胎盤という胚体外組織は発生・発育を維持するための組織である。

· 将来、胎児の体にはならない胎盤という組織の持つ心とは何か?

· 「生命ができるということは、地面の土が勝手に動き出して100階建てのビルがひとりでに出来上がるようなもの。原子が集まって心が生まれることは、その100階建てのビルが、勝手に意識と情報と知識を持ち、エネルギーである光を発し、電磁波を放出しているようなもの。」と滋賀県立大学工学研究科教授 奥健夫先生は著書で述べている。

· 岸根卓郎京都大学名誉教授は「量子論は体験に基づいて発展してきた科学。実際にミクロの世界で起こっている現象を実験によって厳密に確認しつつ進化してきた。従来の科学常識からみて、いかに納得しがたくても、その主張を素直に真摯に真正面から受け入れなければならない。
人間が通常知覚できる世界はマクロの世界に限られており、そこでの人間の科学常識(古典物理学)は、人間が知覚できないミクロの世界では通用しないが、量子論はミクロの世界にもマクロの世界にも通用する理論である。」と著書で述べている。

· 量子力学の専門家の立命館大学の山田廣成教授は、「生命の解明は哲学でも宗教でもなく、量子論という実験結果に基づいて検証可能なサイエンスによってなされてきている。電子の実態の解明は生命の実体の解明であり宇宙の解明である。電子と人間の振る舞いは似ている。電子には意志がある。人間の意志はDNAの意思、電子の意志から発生している。すべての物質には物質固有の意志が存在しその量子が自分の意志で結びつくことで物質としての形を決定させその形を維持している。」と15年に渡る量子論の講義をまとめた著書でのべている。

生体現象は水素や電子の流れの反映である。細胞膜には水と電子のチャンネルがあり、電子のやり取りで電子が奪われると酸化し細胞の活力は低下し老化する。
宇宙空間の大部分はプラズマ(自由電子が多く存在)におおわれていて、プラズマ内の粒子は集団行動をとり全体が関連しあっている。宇宙はガンマ線バーストで水素や電子を放出し(死)、素粒子同士が結合し酸素や元素を生成し(生)、生物と同様、生死を繰り返している。
胎盤という組織の持つ心とは、受精卵という生命を発育し統合した個体を形成する母性愛であり宇宙の心であると思う。

図4

 

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オンライン診療「クリニクス」

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